本剤は5α‐還元酵素を阻害することでテストステロンからジヒドロテストステロンへの変換を抑制し、前立腺肥大を抑える作用をあらわす。


【おわりに】
デュタステリドは、
1)従来薬で十分な効果が得られない、
2)前立腺肥大症が大きすぎて手術するしか方法がない
といった患者さんに今までになかった治療を提供しうる新薬です。
私たちは、この新しい薬を前立腺肥大症治療の新たな選択肢としてお勧めしていきたいと考えています。



当院で発売当初よりデュタステリドによる治療を受けた患者さんたち9症例の半年後の実際の治療効果を上に3つのグラフに示します。治療前と治療後(6か月後)を比べてみると、エコー検査での前立腺容積は平均で約3割縮小していました。排尿に関する自覚症状についても、国際前立腺症状スコアー(注1 )と過活動膀胱症状スコアー(注2)のいずれにおいても改善傾向が認められました。一方で2名の患者さんでアボルブの副作用が認められました(①内服1か月目で全身倦怠感発生、②内服7か月目で乳房痛発生)。いずれの副作用も軽症で内服中止によって速やかに改善しました。このような当院における経験からも、デュタステリドは前立腺肥大症において有効かつ安全な治療薬を言えるでしょう。


[PDF] 5α還元酵素阻害薬 前立腺肥大症治療薬 デュタステリド錠

【PSA検査を行うにあたって】
デュタステリドは前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSA(前立腺特異抗原)を低下させます。
これはデュタステリド内服中に前立腺癌になりにくくなるわけではなく、逆に前立腺癌が発生した際に見落とされ、治療が遅れて悪化してしまう可能性を含んでいます。このためデュタステリドは泌尿器科専門医の監視の元で使用されることが勧められます。

詳しいデュタステリド処方の流れはプロペシアと同じですのでこちらを参照してください。

5α還元酵素阻害薬による前立腺肥大の治療 (JIM 20巻4号) | 医書.jp

注1)前立腺肥大症に伴う排尿の症状を総合的に評価する症状スコアー。35点満点。
注2)頻尿や尿意切迫感などの過活動膀胱症状を評価する症状スコアー。15点満点。



【副作用に関して】
デュタステリドは十分な安全性をもった薬物と考えられますが、それでも副作用として
「勃起不全」、「性欲(リビドー)減退」、「乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)」などが起こることがあります。

デュタステリドカプセル0.5mgAV「日医工」及びアボルブカプセル0.5mgを、クロス.

しかしこのようなデュタステリドによる前立腺縮小効果には限界があると考えられ、デュタステリドで十分な治療効果が得られない場合や、尿閉などで治療を急ぐ場合には今でもやはり手術治療が必要となる場合があります。

デュタステリドを用いた治療は効果が数か月かけてゆっくり発現すると言われています。
従来から使用されているα1遮断薬との併用でより良好な結果が出たとの報告もあります。

[PDF] 5 α還元酵素阻害薬 前立腺肥大症治療薬 デュタステリド製剤

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【5α還元酵素阻害薬デュタステリドの登場】
デュタステリドは前立腺そのものを小さくすることにより尿の出を改善させるお薬です。
いわゆる前立腺肥大症の原因そのものを治療できる「病因治療」が可能な日本で唯一のお薬と考えられています。すでに欧米では日本に先行して発売されており、前立腺肥大症への治療効果や薬物安全性に関する報告もあります。


[PDF] 5α還元酵素阻害薬 前立腺肥大症治療薬 デュタステリド錠

デュタステリドとフィナステリドは共に厚労省の許可を受けている男性型脱毛症(AGA)の治療薬の主成分の名称です。共にヘアサイクルを正常化し抜け毛を抑制する為に用います。しかし、その作用機序に大きな違いがあります。デュタステリドは5αリダクターゼの「Ⅰ型」「Ⅱ型」の働きを阻害し、AGAの原因となるジヒドロテストステロン(DHT)の生成を阻害しますが、フィナステリドは5αリダクターゼの「Ⅰ型」のみ阻害します。

・デュタステリドは、前立腺肥大症患者に0.5mg/日投与した場合、

前立腺肥大症は尿道をとり囲む前立腺が大きくなることにより尿道が圧迫され、尿が
出にくくなる、排尿後に残尿感を感じる、尿が近くなるといった症状をきたします。従来より日本ではα1遮断薬などが前立腺肥大症の内服治療薬として一般的に 使用されてきました。
しかしこういった従来からの治療薬は前立腺肥大症で大きくなった前立腺を縮小させる効果はなく、大きくなりすぎた前立腺肥大の治療は手術治療に頼らざるを得ない状況が長く続いていました。 しかし2009年9月より新しい作用機序をもつ5α還元酵素阻害薬(デュタステリド)が日本で発売され、現在急速に広まりつつあります。

デュタステリドは、テストステロンをジヒドロテストステロンへ変換する 1 型及び 2 型 5α 還

デュタステリドを飲むと体毛が薄くなることがあります。作用機序でも触れましたが、デュタステリドは5αリダクターゼの「I型」と「II型」を阻害し、ジヒドロテストステロンの生成を抑制することで抜け毛を予防します。ジヒドロテストステロンは男性的な体つきに成長するための男性ホルモンですので、デュタステリドを内服すると体毛が薄くなったり、性欲が減退することが起こる可能性があります。

効果、副作用、前立腺がん予防まで徹底解説!AGA治療との関連性

デュタステリドは、テステステロンをDHTへ変換する1型及び2型の5α還元酵素をともに阻害し、DHT濃度を低下させることでヘアサイクルの正常化を促し、毛髪数を増加させる。

これがAGAの発症メカニズムです。 デュタステリド 作用機序 ..

にて紹介した薬剤は厚労省の定める「後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライン」に準じた試験を行い先発品のザガーロと生物学的同等性が確認され厚労省にも認められています。
以下は、デュタステリド錠0.5mgZA「NS」のにある薬物動態パラメータなのですが最高血中濃度到達時間、最高血中濃度、代謝時間、血中濃度−時間曲線下面積などが「標準製剤:ザガーロ」とほぼ同等ということがおわかりいただけるのではないでしょうか。つまりなのです。

ミノキシジルは毛根の血流を良くすることで毛根の働きを活性化させると言われておりますが、作用機序は詳しくは解明されていません。

下の図のように男性型脱毛症(AGA)では、DHTなどの関与によりヘアサイクルの成長期が通常は2~6年程度ある期間が数ヶ月~1年と短くなり、髪の毛が十分に成長しないうちに抜け落ちたり硬毛が軟毛化することで薄毛が徐々に進行してしまうのです。

デュタステリドの効果と副作用【医師監修】 | AGA 植毛コラム

また、時としてそのように疑義のある固形や散財(粉末)の剤形のデュタステリドが国内のAGAクリニックでも処方されているケースがありますので、国内で処方を受ける際も注意が必要です。唯一国内で認可されている先発のデュタステリドの剤形は、長楕円形の軟カプセルであることを把握しておくことが重要です。

デュタステリドが効かない理由とは?原因・正しい服用方法・対処法を完全解説 ..

なお、国内で認可されているデュタステリドの剤形は、長楕円形の軟カプセル(外側は軟カプセルで中身の薬剤は液体)です。しかしながら、個人輸入した際の一部のデュタステリドの剤形は固形や散財(粉末)の場合もあり、剤形が大きく異なります。その為、それらの薬剤が本来のデュタステリドの効果があるかに疑義のある物が存在します。

ザガーロ(デュタステリド)とは?効果や副作用、正しい服用方法を解説

病院やクリニックを介さず、通販サイトや輸入代理店経由で海外から購入する方法です。個人輸入では、国内相場よりも安価で治療薬を購入できる場合もあるため、一定の需要があります。

デュタステリドは、テストステロンからより作用の強いジヒドロテストステロンへと変換する 1 型及び 2 型 5α還元酵

前立腺肥大症に対する治療薬として新規に開発された5α還元酵素(5α-reductase)阻害薬のデュタステリドは,テストステロンから活性型アンドロゲンである5αジヒドロテストステロンへの変換を阻害する.これまでの知見からはデュタステリドの投与によって前立腺容積が緩徐に減少することが報告されており,その臨床効果として下部尿路症状および尿流量率の改善,および急性尿閉の発症率の低下,手術療法への移行の危険性が減少することが示されている1~4).また,5α還元酵素阻害薬であるフィナステリドにおいては前立腺がんの予防効果が示されており,同様の機序を持つ5α還元酵素阻害薬のデュタステリドでも同様の効果が得られることが期待されている5,6)

いずれも、AGA治療薬として効果と安全性がみとめられています。 薬剤作用機序

また、デュタステリドは厚生労働省から認可を受けている薬剤です。最近では一般病院の皮膚科でも取り扱っている場合があります。気になる方は公式サイトや電話などで確認してみることをおすすめします。

デュタステリド(カプセル剤、0.5mg)はプラセボに比し、I-PSS

先発品の「ザガーロ」の剤型はソフトカプセルですが、デュタステリドのジェネリック薬品の中には剤型が異なり錠剤の物も販売されています。

プロペシアとデュタステリドは一緒に使える?併用の健康リスクとは

しかし、特許期間には期限があり、特許期間の満了に伴い他社からの類似品発売が解禁されます。デュタステリド (製品名ザガーロ)は、2016年にザガーロを発売したグラクソ・スミスクライン社が保有していましたが、2020年10月に国内での特許期間が満了しました。その為、それ以降に様々な製薬会社が後発薬であるジェネリック薬を販売し始め、2024年現在は12社の製薬会社から発売されています。今回はその一部を紹介します。

デュタステリドの効果が期待できるものの、効果が現れないケースもあり、主にAGAの進行度や個々の体質が影響しています。 効果が出ない原因

前立腺肥大症は組織学的には前立腺細胞数の増加であり,初期の尿道周囲に生じる前立腺腺増生が成熟した肥大結節へと進展する.肥大した前立腺は前立腺部尿道の閉塞を生じ,いわゆる良性前立腺閉塞(benign prostatic obstruction:BPO)や膀胱出口部閉塞(bladder outlet obstruction:BOO)を呈する.そのような尿道閉塞に対する膀胱平滑筋の反応として,膀胱平滑筋の肥大や膀胱肉柱形成が生じ,ひいては過活動膀胱(over active bladder:OAB)が引き起こされる.さらにその後,下部尿路を制御する神経回路にも変化を起こし,いわゆる下部尿路症状(lower urinary tract symptoms:LUTS)とよばれる排尿症状をつくり上げていくと考えられている7)