メラトニンには抗酸化作用があり、がんや老化を抑えるはたらきがあります ..


この男性の光療法前後の睡眠と直腸温の変化を示したのが図5である。光療法前は昼の12時頃に最低体温が現れているのに対し、光療法後は朝の6時頃に変化してきているのがわかる。また、光療法前には体温の振幅が1度程度であったのが、1.5~1.8とかなり大きくなっているのがわかる。患者さん自身も「もやもやして、ぼんやりしていたのが、すごく体調が良くなった」と感想を述べている。直腸温だけでなく、メラトニンリズムにも変化が現れ、3,000ルクスの光を2日間照射するだけで、メラトニンリズムが前進した。したがって、この症例からもわかるように、光により睡眠相を含む生体リズムを変化させることが可能である。生体リズムの変化は、光を浴びる時間帯によっても異なり、夜に強い光を浴びると睡眠相は後退し、朝に光を浴びると睡眠相は前進する。


医療用医薬品 : メラトベル (メラトベル顆粒小児用0.2%)

1987年秋田大学医学部医学科卒業。医師、博士(医学)。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医・指導医、日本睡眠学会専門医。日本睡眠学会、日本生物学的精神医学会、日本時間生物学会の理事、日本学術会議連携会員などを務める。秋田大学医学部精神科学講座准教授、バージニア大学時間生物学研究センター研究員、スタンフォード大学睡眠研究センター客員准教授、2006年より国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。これまでに睡眠薬の臨床試験ガイドライン、同適正使用と休薬ガイドライン、睡眠障害の病態研究などに関する厚生労働省研究班の主任研究者も歴任。

スマホやテレビ、PCなどの電子機器は、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を阻害するブルーライトを発します。そのため、寝る前にこれらを観ると、睡眠の質が低下してしまうのです。

メラトニン(睡眠ホルモン) 夜間に分泌され、催眠作用があり、1 日のリズムを ..

【症例1】50歳男性
中学時代より夜更かしがちとなり朝起きるのが困難になった。高校、大学と通じ遅刻も多かった。卒業後、企業に就職したが26歳頃より夜の入眠時刻が極端に遅れ、努力しても戻せなくなった。午前4~5時まで眠れず、午後1~3時にならないと起床できないようになったため、35歳で辞職し学習塾を始め、午後4~9時まで中学生の学習指導を行っていた。49歳で治療を希望して来院した。睡眠薬、ビタミンB12の投与では、ともに効果はなかったため、高照度光療法(照度3,000ルクスの光療法器を9~11時頃の2時間照射)を開始したところ、夜1時に入眠し、朝8時に覚醒できるようになった(図4)。

多くの生物でメラトニンは生体リズム調節に重要な役割を果たしています。鳥類での渡りのタイミングや季節性繁殖(メラトニンには性腺萎縮作用があります)などの季節のリズム、睡眠・覚醒リズムやホルモン分泌リズムなどの概日リズム(サーカディアンリズム)の調整作用があります。

睡眠は自由にとらせるとともに、 10lux以下の暗照明下で24時間の連続採血を行いメラトニンリズムを

ヒーリング音楽を聴くことで、リラックス効果が期待されます。睡眠が邪魔にならない程度の音量で、眠る30分前から聞き始めると良いでしょう。なかなか寝付けが悪い人でも効果があります。

メラトニンのもとであるセロトニンについて詳しく知りたい方は、「」も参考にしてみてください。

一方、寝る前に照明やスマートフォンなどの強い光を浴びることでメラトニン ..

●夜、強い光を浴びる
蛍光灯の明るい光やスマホなどから出る強い光は、メラトニンの分泌や寝つきを阻害し、深部体温のリズムにも影響します。深部体温が下がっていく22時以降はなるべく部屋の光を抑えるようにし、スマホやパソコンを控え、もし使用する場合も画面をナイトモードに切り替えるなど対処しましょう。逆に深部体温が上がる朝は、朝日などの明るい光を浴びてメラトニンの分泌を抑え、体内時計のリズムを整えましょう。

寝る前にストレッチすることで、体内の血液循環が良くなり、リラックス効果が期待されます。リラックス状態で入眠できると、睡眠の質が上がるため、効果的です。


モニター画面の明るい光を見ていると、体が夜と感じられずに、眠りを促すホルモンのメラトニンが 分泌されにくくなります。

NAT活性は外界の光の影響も受けます。光が瞳孔を通って網膜にあるメラノプシン発現網膜神経節細胞(intrinsically photosensitive RGC:ipRGC)を刺激すると、そのシグナルが網膜視床下部路を経て視交叉上核に到達して体内時計を活性化し、上述の経路を通じてNAT活性を抑制します。日中は照度が数万〜十数万ルクスもある太陽光のような強い光によってメラトニン分泌量は著しく低下しますが夜間であっても明るい人工照明が目に入ることによってメラトニン分泌量は低下します。例えば家庭照明の数百〜千ルクス程度の照度の光でもメラトニン分泌が抑制されることがあります(個人差あり)。ipRGCは青色光(ブルーライト)に反応しやすく、白色LEDには青色光成分が多く含まれているため、睡眠や体内時計を乱すのではないかと指摘され、「ブルーライト問題」として有名になりました。このように、メラトニン分泌は体内時計と環境光の両方から調節を受けています。

特にメラトニンは、幼少期に大量に分泌されることが分かっています ..

先述した時差型の治療としては、高照度光を利用し、概日リズムが到着地の時刻に同調するのを促進させる方法がある。ヨーロッパへの西向き飛行後に速やかに生物時計を到着地時刻に合わせるには、到着地時刻での7時から15時の間(日本時刻の15時から23時)は、できるかぎり太陽光にあたるよう心がけて生物時計を遅らせるようにし、18時(日本時刻の2時)以降は、太陽光を避けることで概日リズムが早まるのを防ぐ。こうして概日リズムを遅らせるようにし、生物時計が持ち越している出発地時刻を速やかに到着地時刻に同調させる。アメリカへの東向き飛行後には、到着地時刻の7時から13時(日本時刻の24時から6時)までは、サングラスなどで太陽光を避け概日リズムが遅れるのを防ぎ、到着地の13時(日本時刻の早朝)以降はできるかぎり太陽光にあたり、概日リズムを早めるようにする。スポーツ選手が最高のコンディションで海外の大会に臨めるよう、スポーツ医学でもこれらのノウハウが取り入れられてきている。
睡眠相後退型の治療法としても、光療法が有効である。

思春期早発症の要因として、脳の松果体という部位から分泌されるメラトニンというホルモンの影響も考えられています。 ..

また、メラトニンのもととなる神経伝達物質・セロトニンの原料は、アミノ酸の一種「トリプトファン」です。食事を通してトリプトファンの摂取量を増やせば、メラトニンの増加が期待できます。セロトニンは日中に多くつくられるため、特に朝食でトリプトファンを摂取しましょう。

だが、朝、起床時間になっても日光をきちんと浴びないと、メラトニン分泌 ..

例えば、活動する日中には脳の温度を高く保ち、夜間は体から熱を逃がして脳を冷やします(熱放散)。
そのため就床前の眠気が強くなる時間帯は、脳が急速に冷える時間と一致しています。寝入る前に赤ちゃんの手足がぽっかりしているのは熱放散をしているためです。また同じ頃、体内時計ホルモンであるメラトニンが分泌を始め入眠を促します。これら以外にも様々な生体機能が協調しあいながら、ハーモニーを奏でるように質の高い眠りのために作用します。
朝方になると覚醒作用を持つ副腎皮質ホルモンの分泌が始まります。また、脳の温度が自然に高くなります。このような準備状態が整って私たちは健やかな目覚めを迎えます。

一晩光照射500ルクスを実施した群はメラトニンが抑制されたが、深夜3-5時に仮眠をとらせた直後にメラトニン分泌が増加した。

メラトニン(Melatonin, N-acetyl-5-methoxytryptamine)はその大部分が脳内の松果体で産生されるホルモンです。メラトニンは必須アミノ酸のトリプトファンを原料(基質)として合成されます(図)。その過程で、セロトニンをN-アセチルセロトニンに変換するN-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)の活性が体内時計と外界の光の両者の調節を受けます。具体的には、体内時計(視床下部の視交叉上核:しこうさじょうかく)が発振する概日リズムのシグナルは室傍核(しつぼうかく)、上頸神経節を経て松果体に伝達されてNAT活性を「抑制」します。体内時計の活動は昼高夜低であるため、結果的に松果体でのメラトニンの産生量、すなわち血中メラトニン濃度は逆に昼間に低く夜間に高値を示す顕著な日内変動を示します。

治療の第一はとにかくきっちり睡眠をとらせること。これにはメラトニン受容体アゴ

長い休暇で夜更かしをして遅くまで寝ている習慣がつくと、仕事を再開するとき朝なかなか目が覚めず、つらく感じる。これを我慢すると、通常は2~3日のうちに早くに寝つけるようになり、必要とされる時刻に起きられるようになるが、睡眠相後退型にはそれができない。患者は1)日中の行動や心理状態とかかわりなく朝方まで入眠できない、2)いったん入眠すると比較的安定した睡眠が得られ、遅い時刻まで起きられないが目覚めた際に不快感はない、3)長期間にわたり睡眠改善の努力をしてもうまくいかない、の3つの特徴がある。努力して無理に起床しても、午前中はぼんやりとした状態が続き、1~2日でもとの夜更かし・朝寝坊の生活に戻ってしまう。睡眠時間帯の遅れのために定刻に出勤・登校することが困難なため、社会生活に大きな支障を来たす。
思春期から青年期に発症することが多く、夏休みなどの長い休暇中の昼夜逆転生活、受験勉強などが発症の誘因となる。臨床的にみても、睡眠相後退とともに、最低体温出現時刻やメラトニン分泌リズムが健常人に比べて遅れていることがわかっている。
他に睡眠時間帯が毎日およそ1時間ずつ遅れていく自由継続型、睡眠時間帯が通常より極端に早まり修正できず、20時ごろには起きていることが困難となる睡眠相前進型、高齢者に多く、睡眠と覚醒の出現が昼夜を問わず不規則になる不規則睡眠・覚醒型がある。不規則睡眠・覚醒型については後で詳述する。

夜間にメラトニンが十分に出されるようにするとよい睡眠が得られます。ブルー ..

仮眠をとる直前、コーヒーを飲んだ状態で仮眠することで、起床後のストレス軽減が期待されます。また、リフレッシュ効果も期待できるため、作業効率アップが見込めるのです。仮眠時間は20分です。仮眠前にアラームが20分後になるようセットしておきましょう。

さらに、よい眠りをとらないとがんになるリスクが高まる原因がもうひとつあります。 それは、メラトニンと呼ばれる睡眠物質です。 ..

睡眠時間が足りない
1つ目の理由は、単純に睡眠時間が足りていないことです。睡眠時間を増やせばいいということになりますが、かといって「平日に眠れない分、休日にたっぷり寝ればいい」というわけでもありません。睡眠不足の具体的な対策としては、2週間~1カ月、じっくり時間をかけて「睡眠負債」の解消を行うことが必要です。睡眠負債とは、睡眠不足による身体への悪影響を指します。例えば、本来7時間の睡眠が必要な人が、毎日5時間しか睡眠時間を確保できないとなると、2時間の睡眠負債がたまります。その生活を1週間続けると、トータルで14時間の睡眠負債を抱えることになります。
睡眠負債が蓄積していくと、集中力が低下し、仕事や勉強のパフォーマンスが下がってしまいます。蓄積した睡眠負債は、毎日少しずつ解消するのが現実的です。というのも、「寝だめ」に効果があるのは、2〜3時間が限度で、それ以降は効果がないとされているからです。睡眠負債の解消には、まずは毎日の習慣として、今よりも少し長めの睡眠時間を設定し、平日も休日も同じ睡眠時間にキープすることから意識してみましょう。

これは、夜間睡眠中に分泌されるはずの抗酸化作用や抗腫瘍作用を持つメラトニンが分泌抑制されるためです。

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メラトニンは、良質な睡眠や健康を確保するうえで欠かせないホルモン。特に、睡眠の質が低い自覚がある方は、今回ご紹介した方法をぜひ試してみてくださいね。

メラトニン 10mg (即効&持続構造) Melatonin 10mg Hi Tech ..

睡眠の質を上げるために運動は効果的です。週3日〜4日を目標として、1回につき程度の運動を習慣付けると良いでしょう。簡単なジョギングやウォーキングでも大丈夫です。少し体に負荷をかけるイメージで運動すると良いでしょう。

それらの結果を受けて、研究グループは血糖値の変化とメラトニンの関係を調査。

時差のある地域にジェット機で短時間に移動すると、到着後に睡眠・覚醒障害、頭痛、消化器の不調、めまいなど心身の不調が出現する。これが時差ぼけあるいは時差症候型と呼ばれる状態である。原因として、かつては機内の閉鎖的環境による心理的影響や、空気の乾燥、長時間の座位、不規則な居眠りなどの影響が重視された。しかし、時差のない南北飛行ではこうした症状が起こらず、東向きと西向きでは症状の起こり方が異なることなどから、出発地の時刻に合っていた生物時計と到着地における睡眠・覚醒スケジュールがずれることにより起こることがわかってきた。
実際にジェット機で時差帯域を飛行し現地に到着すると、われわれは到着地の時刻に合わせて生活しようとする。しかし、生物時計が作り出す概日リズムは、容易には変化しないため、しばらくは飛行前の日本のリズムを刻み続ける。このため、到着地の夜には、概日リズムの機能によりまだ身体が活動に適した状態にあり、睡眠をとろうと試みてもぐっすり眠れない。一方、到着地の昼は、日本から持ち越した概日リズムにより、身体が休息状態にあるため、活動中に眠気や疲労感が生じやすい。たとえば、ニューヨークと日本のように地球の表裏の位置関係にある地域への移動である場合、到着地の生活リズムに適応するのに10日~2週間はかかると言われている。
交代勤務に関連した睡眠障害も同様の機序で生じると考えられている。