サンティーノ・マレラのコブラが説得力に欠ける技だって…? ..
これは筆者にとっては大きなショックであり、今このページをご覧になっている昭和世代の皆様も筆者と同じ感情を抱かれたっであろう。コブラツイストと言えばプロレス技の定番、プロレスに興味のない人でもコブラツイストと16文キックは知っていたのではないか?そのコブラツイストがこの平成の日本では絶滅技になってしまっていたのである!
このシーンを見れば、コブラがどれだけ危険な技かきっとご理解いただける筈です…
あきら君のためにコブラツイストを解説したいと思う。この技はアメリカではアブドミナル・ストレッチ、グレープパイン・ホールドと呼ばれており、日本ではもっぱらコブラツイストが主流で、アバラ折りとも呼ばれた。日本で初公開したのはインドのダラ・シン、本場アメリカではディック・ハットン、ウィルバー・スナイダーがフィニッシュ・ホールドとして使っていた。日本人で最初にこの技をフィニッシュホールドとして常用するようになったのはアントニオ猪木。「猪木と言えばコブラツイスト!」というまでになった彼の代名詞的技である。
▽コブラツイスト 相手の足や首にまとわりつくようにして、ひねり上げる技。フィニッシュホールドに多様した。
【猪木名場面】コブラツイスト【10/6 全国ロードショー】 #shorts
▽卍固め 英国など欧州では古くから用いられていた技。技を組んだ状態が「卍」の文字に見えることから名付けられた。コブラツイストを使用するレスラーが増えたため、進化形として編み出した。猪木さんが1968年に日本で初めて使ったとされ、タコが絡まるような見た目から「オクトパス・ホールド」とも呼ばれていた。首や肩、脇腹、腰などに同時にダメージを与えられる。
で、この技への入り方は、ロープに振ってすれ違いざまにかける時あり、ブレンバスターに来るところを空中で切り替えして背後に廻ってかける時あり、KO寸前の相手をひきづり起こしてかける時あり・・・と実にさまざまなバリエーションがあった。肝心のかけ方は相手の左足に自らの左足をフック、背後に廻って左腕を自らの左腕で巻き込み、相手の体をねじり上げる。この時足のフックが重要で、これが甘いと柔道の払い腰の要領でなげられてしまう。
「ワールド・プロレスリング」の解説を務めていた山本小鉄によれば、パワーズに決めた写真のように自分の手をがっちり握るのが完璧な形だと言う。しかし猪木は相手の体型によって極め方を変えていた。ディック・スタインボーンのような小柄な相手には肩を決めるような形で腕をロックしていたのである(写真①)。ゴリラ・モンスーンのような大型の場合は腕が回りきらないこともあった(写真②)。
また形は崩れているが、写真③のロッキー・モンテロの表情も素晴らしい。これがプロレスである。
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しかし改めて考え直せば、このコブラ・ツイストと言う定番技の使い手を、この平成のプロレスラーに中から選べと言われても、ちょっと重い浮かばない。西村修が意識的に使っていたが、他にはほとんど誰も使っていないのが現状。全く淋しい事である。猪木がフィニッシュに使っていた昭和40年代から50年代までは十分フィニッシュ・ホールドとなっていたが、猫も杓子もが使うようになり、この技の神通力も薄れ単なる痛め技に落ちぶれてしまった。プロレスの必殺技に重要なもの・・・それは「神通力」であったのである。
「こんばんわ。ちょっとお聞きしたい事がありまして、メールしました。”コブラツイスト”とは、どんな技ですか? 図解してあるページがないかさまよっているところなんです」
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別名アブドミナル・ストレッチ。和名はアバラ折り。元NWA世界ヘビー級王者ディック・ハットンの必殺技で、卍固め開発まではアントニオ猪木の代名詞。猪木は引退試合でもドン・フライをこの技で仕留めた。ジャイアント馬場、ジャンボ鶴田ら全日本系の選手も愛用。総合格闘技でもツイスターの名称で使われ、猪木のひ孫弟子にあたる青木真也が名手として知られる。
コブラクラッチホールド。相手の腕を絡めてのスリーパーホールドであって、現在のプロレスでは地味に映るものだ。だが、今、オカダはこの技にぞっこんだ。
ネットサーフィンをしている最中に、「コブラツイストのような痛め技にも注目があつまって欲しいものです」という文章に出くわした。
新日本プロレスはコロナ禍での3カ月半以上のブレイクから、試合を再開した。6月15日から7月3日まで、東京の会場で無観客9大会を行い、3月に行われるはずだった「ニュージャパンカップ」を1回戦から準決勝まで無事消化した。私は久しぶりの新日本プロレスの大会開催ということもあって、この9大会すべてに足を運んでみた。
【ライガー道場】プロレス技は本当に痛いのか検証!コブラ、卍固め
この4つ、それぞれに物語があったが、4試合のすべてのフィニッシュホールドがコブラクラッチであったことが、私には一番の驚きだった。