体内時計で、脳の視床下部にある視交叉上核にあることがわかっています。 ..
すべての哺乳類において、視交叉上核は、視神経が脳底で形成する視交叉の後部の直上に、第三脳室を挟むように存在する一対の卵形の神経核である。の視交叉上核の大きさは、吻尾方向に950 μm、幅が425 μm、背腹方向に400 μmである。前方と内側はに、背側と後方はに、腹側は視交叉によって囲まれている。
体内時計は全身のあらゆる細胞に存在していますが、メインは脳にある視交叉上核 ..
ラットにおいては、一側の視交叉上核に8000個の細胞が存在している。視交叉上核の神経細胞は中枢神経系においてもっとも小さなものの一つであり、直径は10 μm以下で、やのと同程度の大きさである。
視交叉上核は、の直上で底部にある一対の小さな神経核であり、動物における睡眠と行動や等の生理的現象のを支配する最高位中枢である。視交叉上核の概日時計は時計中枢として他の脳部位や末梢臓器に見られないリズム形成能力を持つ。このことは、生体から取り出した培養下の視交叉上核は、外界からの調律刺激が無くとも何週間たっても概日振動を示すこと、生体で視交叉上核を周辺の脳組織から切り離すと、視交叉上核では神経活動の概日リズムが見られるが、切り離された脳組織では観察されないこと、生体で視交叉上核を破壊すると概日リズムが失われるが、別の動物から採取した視交叉上核を移植すると概日リズムが回復すること、といった一連の実験から明らかになった。視交叉上核の個々の細胞は、概日時計の基礎となる-のフィードバックループを持つが、これは末梢の細胞がもつ機構と同じものである。しかし、視交叉上核には独自の細胞間コミュニケーションが高度に発達しており、これが視交叉上核が概日時計の中枢である所以とされている。
メラトニン受容体 (ML2受容体) と呼ばれていた。 視床下部視交叉上核
視交叉上核は均一な細胞集団ではなく、いくつかの異なった細胞群の集まりである。一般組織染色による細胞構築的観察により、視交叉上核は、背内側部と腹外側部の二つの部位に分かれる。背内側部は、最も細胞密度が大きい部位である。細胞は小さく、直径約7-8 μmで、楕円形の細胞が多い。腹外側部は背内側部と比較してやや疎に細胞が分布する。構成する細胞はやや大きく、直径約8-10 μmの円形の細胞が多い。この腹外側部の領域に視交叉上核へのほとんどの求心性線維が終止するのが特徴で、背内側部に入力する神経投射は少ない。上記の2部位は共に明らかに周囲の前視床下部野よりは細胞密度が大きいが、視交叉上核の背外側部は細胞密度が特に疎で、通常の染色では前視床下部野との境界がはっきりしない。
上述した一般染色による細胞形態の違いはわずかであるが、視交叉上核の細胞はその産生するが独特な分布を示す。これは、1970-1980年代にやのが導入されてはじめて明らかとなった。この結果、視交叉上核は一様ではなく、各々の神経伝達物質が特徴的な神経核内局在を示す、多種類の独立した細胞群からなる構造であることが確定された。
視交叉上核にある体内時計は他の体内時計をコントロールする働きを持って ..
視交叉上核を構成する神経細胞には多くの種類のペプチド産生細胞が存在する (図1)。ラットにおいて、背内側部には (AVP) 産生細胞が、腹外側部には (VIP) や (GRP) 産生細胞が存在する。また、背内側部と腹外側部の間の狭い中間部には、(SST)や(SP)を産生する細胞が存在する。これらのペプチド産生細胞の分布様式は、やなどのみならず、やといったでも基本的に同様であり、なんらかの生理的意義があると考えられている。
NAT活性は外界の光の影響も受けます。光が瞳孔を通って網膜にあるメラノプシン発現網膜神経節細胞(intrinsically photosensitive RGC:ipRGC)を刺激すると、そのシグナルが網膜視床下部路を経て視交叉上核に到達して体内時計を活性化し、上述の経路を通じてNAT活性を抑制します。日中は照度が数万〜十数万ルクスもある太陽光のような強い光によってメラトニン分泌量は著しく低下しますが、夜間であっても明るい人工照明が目に入ることによってメラトニン分泌量は低下します。例えば家庭照明の数百〜千ルクス程度の照度の光でもメラトニン分泌が抑制されることがあります(個人差あり)。ipRGCは青色光(ブルーライト)に反応しやすく、白色LEDには青色光成分が多く含まれているため、睡眠や体内時計を乱すのではないかと指摘され、「ブルーライト問題」として有名になりました。このように、メラトニン分泌は体内時計と環境光の両方から調節を受けています。
視交叉上核は昼間に活発化して時を刻む。 マウスの視交叉上核に電極を ..
あるいはGABAの合成酵素であるグルタミン酸デカルボキシラーゼ (GAD) に対する免疫組織化学やにより、視交叉上核のほとんどの神経細胞はであることが示されている。GABA及びGAD 陽性の線維もまた、視交叉上核に豊富に存在している。二重標識in situ hybridizationを用いて、VIP、AVP、SSTの各々の神経細胞は、GABA作動性の神経細胞であることが確かめられている。
概日リズムというだけあって、内因性の生物時計の周期は完全な24時間ではない。そこで生体は、自身の時計を外界の時計(地球の自転による24時間周期のリズム)に同調させる機構を持つ。同調因子として最も重要なものは、明暗の光である。光情報は、網膜から視交叉上核に直接終末すると、網膜からIntermediolateral leaflet of the lateral geniculate nucleusの細胞に一旦シナプスを形成し、その細胞が視交叉上核に間接的に投射する経路により伝えられる(図1)。
眼から入った光の信号は視神経を通って視交叉上核へ伝えられ、そこから松 ..
網膜での概日性光受容の最大のものである細胞は、網膜神経節細胞の1-2%を占め、視交叉上核へ直接投射する。この網膜視床下部路は両側に投射するが、その割合には種差がある。ラットでは、40%が同側性で60%が対側性であるが、では、左右ほぼ同数である。
容体には MT1 と MT2 の 2 つのサブタイプが存在し、主に脳の視交叉上核に発現する MT1 が、特.
視交叉上核における神経節細胞のは、大部分が腹外側部に存在するが、これも種差が大きい。ラットでは腹外側部に限局するのに対し、マウスでは分布領域はそれより広く、中間部にも広がって、視交叉上核の2/3に分布し、ハムスターにおいては、さらに分布域が広い。興味深いことに投射部位が大きいほど、光刺激による位相変動も大きい。
体内時計には、脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)にある「中枢時計 ..
視交叉上核は、視交叉の直上で視床下部第三脳室底部にある一対の小さな神経核であり、睡眠と行動や内分泌等の生理的現象の概日リズムの最高位中枢である。視交叉上核の概日時計は一日の時刻情報を全身に送り出し、臓器に存在する概日時計の位相を調律する。視交叉上核は多数の細胞時計から構成され、お互いの細胞間コミュニケーションにより、きわめて明瞭で安定した時間情報を発信する概日時計の中枢として機能する。
体内時計のリセットボタンは、脳内の視交叉上核(しこうさじょうかく ..
を用いた観察により、視神経終末は視交叉上核腹外側部のVIPやGRP細胞のやに直接シナプスを形成することがわかった。また、この投射線維において、球形のが認められる。網膜視床下部路の主要な神経伝達物質はである。実際、光刺激を模してやを直接視交叉上核に投与すると、概日行動リズムの位相が変動する。視交叉上核では、のとおよびのとが強く発現している。また、 ()も網膜視床下部路の神経伝達物質と考えられている。
眠り、リズムと健康② | NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター
また、網膜のメラノプシン細胞は、視交叉を超え間脳最後部の神経核である外側膝状体の中間小葉にまで線維を延ばす。この領域は、視覚を司る視神経線維が終末する背側部と、脳幹諸核からの線維が投射する腹側部の中間に存在する。この中間小葉の (NPY)含有細胞は、視交叉上核の腹外側部へ投射する。NPY細胞は小型から中型の神経細胞であり、それらは全てGABA作動性でもある 。
日が暮れて夜になり、眠りホルモンと呼ばれるメラトニンが分泌され ..
松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモン。魚類や両生類に始まり、鳥類、齧歯(げっし)類、ヒトを含めた霊長類に至るまで多くの動物で産生され、繁殖や渡り鳥の飛来などの季節性リズムや、日々の睡眠や体温、ホルモン分泌などの概日リズム(サーカディアンリズム)の調節に関わっている。
•メラトニンは生体内で合成される内分泌ホルモンであることから安全性が高い
1987年秋田大学医学部医学科卒業。医師、博士(医学)。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医・指導医、日本睡眠学会専門医。日本睡眠学会、日本生物学的精神医学会、日本時間生物学会の理事、日本学術会議連携会員などを務める。秋田大学医学部精神科学講座准教授、バージニア大学時間生物学研究センター研究員、スタンフォード大学睡眠研究センター客員准教授、2006年より国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。これまでに睡眠薬の臨床試験ガイドライン、同適正使用と休薬ガイドライン、睡眠障害の病態研究などに関する厚生労働省研究班の主任研究者も歴任。
の時計を同調させて、全身のリズムを支配している可能性も否定できない。事実、鳩や文
脳神経核の一つである視交叉上核は、強い神経出力を持っている。解剖学的には、視交叉上核からの直接投射は、 (SPVZ)、 (POA)、 (VMH)、 (DMH)、 (PVT)、 (LS) の6つの投射先が認められている。この視交叉上核からの遠心性線維のうち、SPVZへの投射が、7割以上を占める。この神経線維は視交叉上核の辺縁部から始まって背尾側へ走り、視床下部室傍核の腹側の境界部のSPVZへいたる。SPVZは中枢のの核群と密接に連絡しており、視交叉上核の時間シグナルを中継する。
【目的】生物の多くの生理現象は約 24 時間周期の概日リズムを持っている。哺乳類では環境光は眼球の網膜で受容
Per1、Per2、Bmal1、Clockは視交叉上核のほとんどの神経細胞において強く発現している。Per1とPer2は、明期に高く、暗期に低い振動を示す。一方、Bmal1は、明期に低く暗期に高い。興味深いことに、Clockは一日のどの時点においても同程度に発現している。
[PDF] 122. 松果体メラトニンによる網膜の光感受性抑制機構の解明 池上 啓介
以上のような睡眠と覚醒に関する2つの機構、すなわち、睡眠の質に関連するレム睡眠とノンレム睡眠の機構と一日のリズムに関連する生物時計の機構は、密接な相互作用を持ちながら、夜には良い睡眠をもたらすと共に昼間には良い活動性を作り出すのです。
時計遺伝子の発現をリセットさせる。このようにして睡眠覚醒などの概日リズムは明暗環境に同調できる。松果体の
これまでのところ、視交叉上核の細胞とその他の脳部位や末梢臓器の細胞の間に、細胞時計の基盤である上述の転写・翻訳ループを構成する分子に違いがあるということは言われていない。従って、視交叉上核のマスター時計としての特殊性は、先述した神経伝達物質を介した細胞間コミュニケーションにあると考えられる。細胞間連絡の少ない末梢組織の概日振動はin vitroの培養系ではすぐに減衰してしまうのに対し、視交叉上核では神経細胞同士がお互いに連絡しあい同期することによって、組織として非常に安定した概日振動を何週間も生み出すことができる。最も重要な時計遺伝子のひとつであるPer1遺伝子のプロモーターの下流に、発光遺伝子をつないだを導入したPer1-lucの視交叉上核切片培養系を用いたリアルタイムイメージングにより、個々の細胞におけるPer1の発現リズムを観察すると、常に、背内側部の特にに面した領域からその振動は始まり、続いて中間部から腹外側部へと波のように広がっていく(動画)。
るいは 1:3の周期比で同調する現象も知られている。体温やメラトニンリズムの振動源は視
このような階層性のある時空間的制御ネットワーク機構は、を利用したシグナルの概日リズムでも確認されている。この視交叉上核内ネットワークは概日リズムの特徴である温度補償性に寄与しているとされる。また最近、この特徴的な視交叉上核内の時空間特異性の形成の一端が、分子レベルで明らかとなった。視交叉上核全体の中でも最背内側部の細胞において、時計遺伝子は最も早く発現するが、その理由の一つに、視交叉上核に特異的に発現する、活性を制御する()であるがある。夜明け前に、最背内側部の細胞はRGS16を発現することで、ターゲットの抑制性Gタンパク質を不活性化し、細胞内のを増やし、 ()シグナル伝達を亢進し、時計遺伝子Per1の転写を高める。RGS16変異マウスでは、視交叉上核において先頭集団である最背内側部におけるPer1の発現が遅れるため、マウス個体の概日行動リズムの周期が長くなる。
もし暗室で生活すると起床 ・就床時刻が次第に後ろにずれていくことが実験でわ
このようにメラトニンは昼間の明暗サイクルにより変化することから内因性リズムを持つ生物時計に24時間の指標を与える働きをしています。またメラトニンは生物時計の文字盤の役割もしています。すなわち夕方から夜間にかけて血中メラトニン量が増加すると、視交叉上核と全身の臓器にあるメラトニン受容体に情報が伝えられ、夜間、休止した方がよい各臓器に生体変化を起こさせます。すなわち脳では睡眠中枢を優位に働かせて睡眠を起こさせ、副交感神経を優位に保つことにより自律神経系を鎮静させ、代謝では同化作用を起こし、免疫系を賦活させるのです。昼間に血中メラトニンが低下、消失すると脳の覚醒中枢が優位になり、目覚めて活動し、自律神経系においても交感神経系支配が優位となり、内分泌系機能もそれに適した状態がつくられるのです。